「謝罪の文言を入れない代わりに閣議決定もしない。安倍カラーを黙認して欲しい」という親書を読んだ習近平は……。
2015年7月号 POLITICS [混線する「戦後70年外交」]
まるで試合を決めたヒーロー選手が、相手チームのエース選手と互いの健闘を称え合うかのようなしぐさだった。5月23日、北京の人民大会堂。訪中した自民党の二階俊博総務会長は、中国の習近平国家主席とがっしり握手すると、握った右手を離さず左手も添えて高々と掲げ、同行した日本人約3千人に向けて「成果」を誇示するように何度も振ってみせた。「21世紀の皇帝」と畏怖される習主席を相手に、ここまで馴れ馴れしく振る舞った人物はいない。中国メディアは、二階氏の大胆なパフォーマンスに目を丸くした。
大訪中団を前に習主席が挨拶したほか、2人の会談は大会堂内にある特別の迎賓室で行われるなど、確かに国賓並みの破格な厚遇だったが、もちろんそれだけが「成果」ではない。訪中の最大の眼目は、二階氏が習主席に手渡した安倍晋三首相からの親書にあった。二階氏がごく近い人物に明かしたところ ………
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