実態のないハコ企業「新華HD」に、謎の非上場企業がTOB。本社を訪ねるとモヌケの殻。
2015年8月号 DEEP
個人投資家をひっかける手の込んだ茶番劇なのか、狐と狸のバカし合いなのか。新興市場でハコ企業の新華ホールディングス(旧新華ファイナンス)をめぐって、中国人オーナーと正体不明の非上場会社が、怪しい闘いを繰り広げている。2004年に東証マザーズに上場した新華は、香港を拠点に中国の金融情報を配信する企業だった。ところが創業メンバーの米国人経営者らが詐欺行為などの容疑で米国で起訴されて有罪判決を受け、会社が中国人経営者の手に渡ると、収益源だったインデックス事業も売り払い、今は事業の実体が乏しい。そこに現れたのが指紋認証システムがウリのテクノグローバル(柏原武利代表)という非上場企業。昨夏に新華を再建すると名乗りを上げ、今年3月には新華の賛同を得られないまま株式の公開買い付け(TOB)を実施した。4月10日付の日本経済新聞朝刊で全面広告を賑々しく打ったが、事 ………
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