「取締役会議長」に御しやすい大学教授を据えて高笑い。80歳の相談役が人事を牛耳る異様。
2015年9月号 BUSINESS
「東芝取締役会議長に槍田氏浮上」――。7月29日、日経新聞に観測記事が出ると、当の三井物産前会長である槍田松瑩(72)は激怒した。あまりの剣幕に、東芝は同日、「取締役会議長の人事は検討もしていない」というコメントを出して打ち消した。ウソもいいところである。東芝の粉飾決算問題で、第三者委員会が報告書を出した7月21日前後から、東芝の周辺で取締役会議長として、槍田の名前は挙がっていた。日経に「槍田氏は取締役会議長と東芝会長を兼務する可能性もある」と指摘したのは、槍田に近い元経団連副会長と囁かれる一方、「日経の情報源は官邸筋」と穿(うが)った見方も流れたが、いずれも的外れだ。「槍田招請」が立ち消えになったのは、「東芝の根回しが十分でないまま新聞辞令が出たから」と解説する向きもあるが、これもウソ。東芝周辺で槍田擁立を模索する動きはあったが、東芝に君臨する ………
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