日本生命「シナジー薄弱」三井買収

メリットは小さくとも、意地で生保首位の座奪回。「合併ノー」の住友生命と三つ巴の内幕。

2015年10月号 BUSINESS

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今後10年間で1兆5千億円をM&A(合併・買収)に投じる――日本生命保険が大胆な計画をぶちあげたのは今年3月。そのころすでに日生には国内生保会社を買収する構想が念頭にあった。三井生命保険である。日生は三井生命の大株主である三井住友銀行(SMBC)に意向を打診。8月末にその交渉内容が明るみに出る。日生は株式公開買い付け(TOB)で三井生命の全株式をいったん取得して子会社化し、15%程度を現株主のSMBCなど三井系企業に売り戻す予定だ。実質的な買収総額は差し引きで3千億円近くに達すると見られる。それにしても、日生が最初にSMBCに打診したのが3月ごろの話だ。それから交渉内容が具体化するまで半年近くも時間がかかった。何があったのか。

幻の「三井住友生命」

鍵を握っていたのは住友生命保険だ。三井生命が1990年代バブル崩壊のあおりで経営危機に陥り、SMBCが支援に乗り出して以降、住生はずっと「花婿候補 ………

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