「白紙撤回」エンブレムの次は

2015年10月号 連載 [いまここにある毒]

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あ~あ、新国立競技場に続き、五輪エンブレムまで「白紙撤回」とは。五輪組織委の森喜朗会長は「エンブレムではえらい目に遭った」とダジャレ(?)を飛ばしてまた知らん顔。影の薄い武藤敏郎事務総長にババを引かせた。画像検索でパクリを暴く「炎上」をネット社会の病理といわんばかりの釈明だったが、「盗作は絶対ない」と言いながら、組織委の要求に応じてデザインをコロコロ変えたこと自体、デザイナーのいかがわしさを物語っていた。しかし、これだけケチがついても責任の所在が不明なのは、組織委が木を見て森を見ず、文科相、五輪担当相、都知事、JSC、JOCに首相官邸と国交省が組んずほぐれつで、「船頭多くして船山に登る」状態だからだろう。根っこには安倍政権のマネジメント不全がある。組織委に蟠踞する面々は政官財の「鉄のトライアングル」そのもの。細かいだけで巨大組織運営のノウハウ ………

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