日本メーカーにも「違法ソフトウェア」使用の温床はある。鳴り物入りの「自動ブレーキ」は大丈夫か。
2015年11月号 BUSINESS
10月8日、ドイツ検察当局が、詐欺容疑でフォルクスワーゲン(VW)本社に踏み込んだ。排ガス規制を不正に逃れた不祥事の全容解明が焦点となる。VWは「ディフィート・デバイス」(無効化機能)と呼ばれる、試験走行時のみ窒素酸化物(NOx)の排出を抑える違法なソフトウェアを使い、通常走行時に基準値の最大40倍ものガスを排出していた。対象車種は全世界で1100万台。リコール(無料回収・修理)費用だけで65億ユーロ(約8800億円)、不正を摘発した米環境保護局の制裁金は最大180億ドル(約2兆1600億円)、欧米アジアの株主や住民から訴訟続出が予想される。その対策費用は650億ユーロ(約8兆8千億円)に膨らむと報じられ、自己資本960億ユーロ(約13兆円)が吹っ飛びかねない。
「最悪の不正」は、なぜ、起こったのか。排ガス規制逃れの違法ソフトは、VWの開発部門で2005~06年頃に決定された。その ………
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