2015年11月号 BUSINESS
金融庁を昨年退官した畑中龍太郎元長官(62)がコロンビア大使に転出した人事が金融界に波紋を広げている。 同国大使を経て横浜銀行に天下った現頭取の寺澤辰麿・元国税庁長官(68)のキャリアパスを想起させるからだ。「帰任したら寺澤頭取の後釜に座るのではないか。それが実現したら、自らレールを敷いた地銀再編路線に突き進むだろう」とメガバンク関係者は言う。畑中氏と言えば、金融界に対する強権で恐れられた御仁だ。日本振興銀行のペイオフ、野村ホールディングスによる増資インサイダー事件、みずほ銀行のシステム障害や暴力団組員への融資問題など、メディアと政治家が騒ぎ立てる場面でも、躊躇なく金融機関に厳罰を下し、経営者のクビを切った剛腕だ。若かりし頃、在アルゼンチン日本大使館に3年間勤務したことがあり、そのキャリアも寺澤氏と同じだ。スペイン語で現地の女性を口説けたとい ………
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