「ほぼゼロ金利の貯金より高配当の株」の囁きが曲者。金融工学音痴が高齢者を欺く大罪。
2015年12月号 BUSINESS
日本郵政株売り出しで、証券界はちょっと盛り上がっている。長期的には事実上「国営」郵政の将来性は疑問だが、短期的には上場のご祝儀もあるわけだ。筆者が本誌5月号に書いたように、郵政株は事実上「国営」なので夢も希望もない。筆者の知人の証券マンなどは、「今はお祭りですから」と肩をすく めている。売り出し主幹事に滑り込んだ某社で筆者の知人であるエコノミストは「郵政に関しては何も言えない」と口を閉ざす。良心的な人ほどダンマリだ。郵便局の現場では「大きな声では言えないが、ほぼゼロ金利の定額貯金をおろして、高配当の郵政株にしたほうがお得ですよ」とお客に奨めているという。本当だろうか。この問題に正解を出せる人は、かなり「ゆうちょ銀行」の本質がわかっている人にちがいない。ゆうちょ銀行のバランスシート(2015年3月末)では、貯金が177・7兆円あり、うち定額貯金が83 ………
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