長期で1千億ドルの大損。ロシアの報復を恐れ、国境越えの対クルド人空爆も中止した。
2016年1月号 GLOBAL
11月24日、トルコがロシアの戦闘爆撃機「スホイ24」を撃墜、両国の関係が一気に悪化したことで、シリアのみならず、中東問題の解決でキー・プレーヤーとして振る舞ってきたトルコは、急速にその地位を失いつつある。事件のわずか8日前、トルコが主催したアンタルヤG20首脳会合では、各国は13日にパリで起きた同時テロを非難し、テロ対策やシリアからの難民流入問題で協調することで合意した。会議には、ウラジーミル・プーチン・ロシア大統領が西側によるロシア制裁後初めて、世界の首脳が集まる会合に姿を見せたが、この時点ではトルコとロシアの関係は極めて親密だった。トルコ・ロシア関係に最初に影が差したのは、シリアのバッシャール・アサド政権を支援するためにロシアが9月末、シリアで空爆を始めたことだった。ロシアは、アサドに対抗するイスラム過激派組織「イスラム国」(ISまたはISIS) や ………
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