アイルランド企業との44兆円統合で本社脱出。日本も法人税率30%割れ程度では甘い。
2016年1月号 BUSINESS
米大手紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、企業幹部を招待する内輪の朝食会を定期的にニューヨークなどで開催している。食事する招待客の前で、経営者や政治家がWSJの編集幹部と対談するのだ。10月29日、米製薬大手ファイザーのイアン・リード最高経営責任者(CEO)が、朝食会の主賓として登場した。対談相手は、WSJ金融担当デスク、デニス・バーマンである。前日の28日晩にバーマン率いるM&A(買収・合併)チームが、ファイザーの特ダネをスクープしていた。「アイルランドの同業アラガンに対し、ファイザーが経営統合を打診した」と電子版に流したのだ。交渉中の重要事実をおいそれと認めるわけにはいかない。リードCEOは報道に触れるのを避けたものの、「我々は片手で外国勢と戦っているようなものだ」と米国の税制に嫌気が差していることを強調していた。ファイザーが支払う米国の法人税 ………
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