8月にリオ五輪なのに、経済も政治も真っ暗。与党の連立相手の汚職疑惑がはね返った。
2016年2月号 GLOBAL
「2017年、おめでとう」新年を迎えたサンパウロの経済界では、こんな皮肉な冗談めいた挨拶が交わされている。16年の見通しがあまりに暗いため、多くの人々は1年飛ばして17年を祝っているのだ。中南米最大の経済規模を誇るブラジルは2000年代に入ってから何度も経済危機を経験したが、今回ほど政治的にも経済的にも方向感を見失ったことはなかった。8月のリオ五輪開催を控えて、本来ならお祭り気分が溢れているところだが、新興国第2位の地位にあるブラジル経済は、景気後退の2年目に突入する。国民はもろもろの悪材料――大統領の弾劾手続きや複数の大物議員の汚職容疑での起訴、迫り来る財政危機にも身構えている。00年代初頭の経済危機は、隣国アルゼンチンを含む新興国危機や左派労働党(PT)のルイス・ルーラ・ダ・シルバが大統領選に勝利する観測が強まり、海外投資家の懸念が強まるなどの外部要因が ………
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