中東全域で対イラン代理戦争。直接介入のイエメン空爆は、1年経っても情勢が好転せず。
2016年3月号 GLOBAL
紛争の絶えない中東では、サウジアラビアとイランの両大国がほぼすべての衝突の背後にいる。シリアでの代理戦争は4年に及び、犠牲者は30万人に上ったが、いずれの陣営も勝利を宣言するに至っていない。バーレーンやイラク、レバノン、イエメンでも、それぞれ異なったジャンルの戦いを繰り広げているが決着がつかず、二大イスラム国家による対話なくして中東の紛争は何ひとつ解決しないのは明らかだ。だが、今に至っても唯一の解決策であるはずの対話は可能な状態ではない。イスラム教でもサウジのサウード王家は、その正統性をイスラム教スンニ派のなかでも18世紀に起こった極めて厳格なワッハーブ派聖職者階級に依拠している。イランでは1979年にイスラム教少数派のシーア派法学者を中心とする政治・社会改革であるイラン革命が起こり、故ホメイニ師から最高指導者の座を引き継いだハメネイ師は、革命 ………
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