「安倍独裁」許す最高裁(上)

首相官邸がやりたい放題を続けているのは、本来なら政府を牽制すべき司法がとことん政治権力に弱いから。

2016年3月号 POLITICS [ああ看板倒れ「憲法の番人」]

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長く憲法違反とされてきた集団的自衛権行使に道を開いた安全保障法をはじめ、安倍政権がやりたい放題を続けているのは、国会が自民党の「一強多弱」で、党内に対抗馬もいないことに加え、本来なら政府を牽制するはずの司法が役割を果たしていないからだという声が強まっている。「安倍独裁」を許す最高裁の体たらくを2回にわたってレポートする。昨年12月16日の最高裁大法廷。夫婦に同姓を強いる民法750条を合憲と判断した判決を聞き、夫婦が別姓も選択できるよう求めて裁判を起こした元高校教員の塚本協子さん(80、富山市)はしばらくの間、傍聴席から立ち上がれなかった。「涙が止まらない。塚本協子として生きることも死ぬこともできない」。塚本さんは判決後の記者会見でうなだれるしかなかった。江戸時代から続く「塚本家」の跡取り娘で、学生時代に知り合った夫の小島明久さん(81)も長男。2人 ………

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