除染事業で焼け太る原子力ムラ。新参者を受け入れず、身内の共存共栄を図るムラの掟は変わらない。
2016年4月号 BUSINESS
福島第一原発事故から5年が経っても「浜通り」の放射線量は下がらず、10万人もの避難住民の古里帰還は進まない。1月30日、福島市で開かれた除染アドバイザーの意見交換会(公開)に登壇したNPO法人「放射線安全フォーラム」の多田順一郎理事(伊達市の除染アドバイザー)から、こんな「暴言」が飛び出した。「除染の効果に夢を与えすぎたようだ。実験室のようにはいかない。『もう元通りにはならない』と言いそびれてしまった」すると傍聴席から「あなたたちのせいで除染が進まないんだ。アドバイザーなんて辞めろ」と怒声が飛び、拍手がわき起こった。会場は騒然となり、報告会は一時中断してしまう。実験室のように除染が進まない理由はいくつか考えられるが、その一つは、外部の知見やノウハウを排除しがちな「原子力ムラ」の閉鎖体質にある。今年になって、除染技術開発の現場を仕切る人物が被告席 ………
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