遺産相続で大都市圏に預金が流出する。地銀にとっては甚大な打撃となり、ドミノ倒しのような広域再編に拍車がかかることは必定だ。危ない地銀を浮き彫りにする。
2016年4月号 BUSINESS [秒読みに入った淘汰再編]
地銀にとって恐怖の大津波が押し寄せようとしている。「遺産相続」だ。かねてより「人口減少」による経営基盤脆弱化が取り沙汰されてきたが、それは直ちに預金減少には結びつかない。家計資産は遺産として相続されるからである。ところが、遺産を残す親が地方、それを受け継ぐ子が大都市圏にいる場合、家計資産は地方から大都市圏に流出する。相続に伴う地銀の預金減少は避けられない。具体的な数字で説明しよう。1960年代後半から80年代前半にかけて、地方から大都市圏(首都圏・関西圏)に約2千万人の若者がなだれこんだ。今、彼ら彼女らは40代後半~60代後半となり、これから相続を迎える。上の表を見れば、家計金融資産シフトは一目瞭然だ。三井住友信託銀行の試算によれば、資産が流入超となるのは首都圏、関西圏だけで、他のすべての地方は純減となる。四国は4.4兆円流出するが、これは四国4県の ………
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