これでは財務悪化を理由に買収契約を破棄され、液晶だけ鴻海に取られるのがオチだ。
2016年5月号 BUSINESS
倒産の瀬戸際に追い詰められていたシャープが2日、台湾の鴻海精密工業の出資を受け入れて子会社となる契約を結んだ。鴻海が示した破格の買収条件に目がくらんだみずほ銀行など主要取引銀行に「鴻海か会社更生法か」と迫られ、国内電機メーカーとして初めて外資の傘下に入る苦渋の決断をした。しかし鴻海の郭台銘会長のしたたかな交渉術に翻弄されて契約直前に買収額は約1千億円も値切られた。契約に盛り込まれた「不平等条項」で契約そのものを破棄される恐れもぬぐえない。創業100年を超える老舗メーカーの買収劇は最終的に、鴻海と、債権放棄を免れた銀行だけが得をすることになりかねない。「実際に破談になることは決してないと私は思っている。確率で言うと99.999%の確率で成功すると思っている」。郭氏は記者会見で強調した。契約直後に破談の可能性をわざわざ否定してみせたのは、不平等条項に ………
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