「予知」の幻想で予算4千億円 「地震学村」焼け太り

熊本地震で露呈した無力。今さら予知できぬとは言えず、世界一の予算が泣く。縄張り争いでムダ金が積み上がるばかり。

2016年6月号 LIFE [東大地震研の大罪]

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地震を予知して欲しい――。国民の切なる願いを地震学者はまた裏切った。熊本地震を予測した学者は皆無である。しかも4月14日、最初に起きた最大震度7、マグニチュード(M)6.5の地震の後、「今後、震度6弱程度の余震が続く」という気象庁の予想を信じて一旦自宅に戻った人のなかに、16日未明のM7.3の本震で自宅が倒壊、亡くなった人がいるから、予知はおろか地震後の想定もできない日本の地震学は、罪を重ねたことになる。世界有数の地震国である日本は、地震の調査研究に世界一、予算を投じてきた地震研究先進国である。研究をリードしてきたのは文部科学省の地震調査研究推進本部(推進本部)。1995年1月の阪神・淡路大震災を受けて、同年6月、地震防災対策特別措置法が制定されて、推進本部が設置された。以降、2015年までの20年間に約3千億円の「地震調査研究政府予算」が投じられた。これに関連施策 ………

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