「救うべきはシャープではなく東芝だ!」。血税を弄ぶ官邸・経産省の態度が変わった。かつての名門に国有化の魔の手が伸びる。
2016年6月号 BUSINESS [官僚よ!血税で弄ぶな]
パンドラの箱が開いた。東芝は4月26日、2016年3月期決算で米国の原発機器子会社ウェスチングハウスを含む原子力事業ののれん代(3300億円)のうち2600億円を減損すると発表した。不正会計に手を染めてまで隠してきた貸借対照表の大きな穴。それを自力で埋める力は、もはや東芝には残っていない。国策ファンドの産業革新機構が手ぐすねを引いて出番を待つ。東芝国有化の悪夢が始まろうとしている。深刻なのは、稼ぎ頭のメディカル事業をキヤノンに売却してしまったことだ。この結果、東芝に「成長部門」がなくなった。東芝がメディカル事業を売り、白物家電を中国の美的集団に売ったのは、減損に備えるためだった。富士通、VAIOとの統合は白紙になったがパソコン事業や国内のテレビ事業からも手を引く。相次ぐ売却・撤退でウェスチングハウス買収の失敗でバランスシートに開いた穴を埋めた後、東芝の主力 ………
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