権力掌握に不可欠な「軍とペン」。武力と言論は押さえなければならない。言論統制の強化は反腐敗の副作用である。
2016年7月号 GLOBAL [集中連載]
急速に集権化を進める習近平政権の下で、反腐敗キャンペーンに代表される綱紀粛正に加え思想・言論統制の強化が際立つ。学界、メディア界を中心とする知識人らには息苦しい毎日だ。日本を訪れる民主派知識人は決まってこんな愚痴を漏らして帰る。「思想教育の会議ばかりで、文化大革命が再来したみたいだ。江沢民や胡錦濤時代の方が緩かった」胡錦濤時代、権力基盤が弱く、経済格差や腐敗を放置した政権を批判していた彼らが過去を懐かしむのは皮肉なものだ。確かに海外メディアには弁護士や記者の拘束、ネットでのブログ閉鎖などのニュースがあふれ、中国社会が暗黒に向かっている印象を受ける。だが現地の庶民感覚からするとそうでもない。ネットには党や政府への批判が自由に書き込まれている。春節の大みそかに放映された中国中央テレビ(CCTV)の人気歌番組「春節聯歓晩会」は、日本の紅白歌合戦に ………
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