人民日報「権威人士」の経済政策批判に国務院が公然と反駁。「反腐敗」の副作用か。
2016年7月号 GLOBAL
中国経済の減速が長引くなか、経済政策をめぐって共産党最高指導部内に生じた「不協和音」が白日の下にさらされた。人事や利権にまつわる激しい権力闘争は公然の秘密でも、党指導部は一致団結しているのが建前。内部対立が表沙汰になるのは異例のことだ。発端は5月9日、党機関紙の人民日報が一面に掲載した匿名の「権威人士」(権威ある地位の人物)へのインタビュー記事だった。同紙に権威人士が登場するのは昨年5月25日、今年1月4日に続く3回目。いずれも中国経済の現状に比較的厳しい見方を示し、構造改革の断行を訴える内容となっている。だが今回の記事が過去2回と違うのは、名指しこそしないものの、党内序列第2位の李克強首相が率いる国務院の経済政策をほぼ全面的に批判していることだった。
例えば、権威人士は「高レバレッジ(高い負債依存)は必然的に高リスクを招き、制御を誤れば金融シ ………
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