中南米「左派政権」おろしの政治クーデター? 弾劾する側もされる側もスネに傷の乱戦。
2016年7月号 GLOBAL
大疑獄が発覚し1年以上も機能不全に陥っていたブラジルの政局が一大転機を迎えている。上院がジルマ・ルセフ大統領(労働党=PT)に対する弾劾法廷の設置を決め、大統領の職務を停止したのが5月12日。副大統領のミシェル・テメル(ブラジル民主運動党=PMDB)が同日、大統領代行に就任し、23人の新閣僚から成る暫定政権が発足した。しかし、同月下旬に不祥事から閣僚2人が立て続けに辞任するなど、「安定とはほど遠い」(サンパウロ大学・ブラジル投資リンク担当のジルソン・シュワルツ教授)。閣僚2人の辞任の経緯とルセフの弾劾理由をみれば、政治再生の難しさが分かる。最初の辞任劇はロメロ・ジュカ企画相(PMDB)。「国営石油会社ペトロブラスをめぐる汚職捜査(ラバ・ジャット=洗車=作戦)を止めるには政権交代が必要」との発言が今年3月に録音され、有力紙がルセフ弾劾の狙いを示すものとして ………
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