官邸掟破り「奥原次官」に農水省はパニック寸前

首相官邸が農協改革の立役者を事務次官に抜擢。問答無用の「奥原流」に局長連中は面従腹背。

2016年8月号 BUSINESS

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農林水産事務次官に、経営局長の奥原正明氏(東大法卒、1979年入省、60)が昇格した。異例と言うより、霞が関の「掟破り」の人事である。皆川芳嗣氏が事務次官(78年入省)を3年務めた後、昨年、本川一善氏(79年入省、61)を後継指名し、同期入省の奥原氏の「次官の目は消えた」と囁かれていた。ところが、フタを開けて見れば、奥原氏が、本川氏を押しのけるように、次官の座に就いた。本川氏は永田町対策を仕切る官房長、水産庁長官を歴任し、事務次官を射止めたが、わずか10カ月で退く屈辱を味わった。第2次安倍政権誕生後、内閣人事局が創設され、各省事務次官を頂点とする幹部人事は、内閣官房が決めるルールに変わった。「首相官邸は農水省の人事秩序を乱さないため、同期トップの本川氏の次官就任を認めたが、意中の人は奥原氏だった」と、閣僚経験者は明かす。目下の内閣人事局長は荻生田光一氏 ………

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