窮余の日銀「ヘリマネもどき」

安倍・バーナンキ会談で導入期待が膨らむ国債永久保有。「やらねば市場失望」と退路断たれる日銀。

2016年9月号 BUSINESS [狂騒曲に市場つんのめり]

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真夏の夜の幽霊ではない。日銀が空からお札をばらまくように、青天井で財政に資金を供給する。ヘリコプターマネーと呼ばれるアイデアが、日本の上空を徘徊している。一向に弾みのつかない景気に業を煮やして、安倍官邸が禁断の果実に手を伸ばそうとしている、ともいう。この事実こそ、日本の財政、金融政策のカジ取りが危機ラインに近づいている証拠ともいえる。7月12日、首相官邸を時の人が訪ねた。ベン・バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長である。バーナンキ議長はヘリコプターマネー(ヘリマネ)の提唱者として知られる。このタイミングでの面談は、安倍晋三首相にヘリマネを伝授するのが、狙いに違いない。内外の金融市場関係者はそう読んだ。「官邸での会談ではヘリマネのへの字も出ていない」と関係者はいう。菅義偉官房長官もヘリマネが話題に上ったとの観測を否定したが、いったん舞い上 ………

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