小池の天敵「内田茂利権」の侠血

進駐軍御用達で色街、プロレス、土建を仕切った「侠客」と公明党が握った都議会の暗部。

2016年9月号 DEEP

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東京都知事選挙を通じて最も著名になったのは、内田茂都議(77)である。一部の政界通、都議会関係者しか知らなかった「都議会のドン」の名が、小池百合子、猪瀬直樹が“悪業”を連呼したおかげで、広く都民と国民に知られることになった。週刊文春をはじめとする「内田報道」は、ドンの実力と怖さを知らしめたが、区議と都議を連続して務めた多選議員であること以外に、中卒で学閥とも閨閥とも無縁、誰かの地盤・看板を引き継いだわけでもない内田が、なぜこれほどの力を持つに至ったか背景が浮かんでこない。

力道山と明治座の恩人

内田の力の源泉は何か――。まず、財源の豊かな東京都は、全国で唯一、地方交付税交付金を受け取っていない都道府県である。国会議員に陳情に行く必要がないから独立の気概を持つ。「国会議員を頼りにしたことはないね。逆に、選挙応援や口利きの依頼などお願いをされることの方が多い。(前都 ………

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