2016年9月号 連載
2016年FACTA創刊10周年。Facebookの創業04年。Twitterの創業06年。この10年でメディアは激変した。活字離れではない。人は文字が入った画面を常に見ている。SNSを通じて閉じた人脈の生活を覗き、文字のやり取りを間断なく行っている。心地よい価値観の共有は送信クリック毎に濃縮され、異物を排斥しようとする。世界的なポピュリズムの台頭は必然である。それどころかこの先加速していくのは確信できる。
今こそ視野を広く持ちたい。異物に興味を持ち、認め、そこから何かを得て次に進む営みを続けたい。フェアな目線で多くのものを見たい。困難であろうとも見る情報を選ばなければならない。いつの間にか呆然とするくらい広く深くなってしまった情報の大海から。私はFACTAにその役割の多くを委ねてきた。
これからの10年FACTAはどのように変わっていくのかまだまだ見ていきたい。異物のような情報源でも貪欲に食べていってもらいたい。
株式会社リアルディレクション 代表 生方直人