自社調査で「反社会的勢力」と疑う中国企業に言いなりの深圳子会社。相手は「手負い」。引き離さなくて大丈夫か。
2016年10月号 BUSINESS [中国深圳現地ルポ]
午後5時過ぎ。勤務を終えた大勢の女性従業員が工場の通用門から続々とあふれ出てきた。ここは広東省深圳市のハイテク工業パークにあるオリンパスの製造子会社「奥林巴斯(深圳)工業」(OSZ)。デジタルカメラやレンズを量産する、映像事業部門の主力生産拠点である。彼女らは通用門の目の前にあるバス停を素通りし、同僚とのおしゃべりに興じながら東に向かって歩いて行った。その後を追うこと約15分。たどり着いたのは「朗山二路」という通りに面した古ぼけた7階建ての建物が並んでいる場所だった。そのうちの数棟の外壁にOSZの従業員寮であることを示すプレートが打ち付けられていた。「見つけた!」。今回、深圳を訪ねたのは、OSZが中国の反社会的勢力に取り込まれているのでは、との疑惑を確かめるためだった。この従業員寮こそ、OSZと反社会的勢力と疑われる企業との関係をつかむことができる場所 ………
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