「トモダチ作戦被害者支援基金」への協力を訴え、2時間も熱弁を振るい続けた純一郎の武士道精神。
2016年10月号 POLITICS
元首相の小泉純一郎と言えば、無類の歴史小説好き。戦国時代や幕末を語り出せば、止まらない。2005年の「郵政解散」では、郵政民営化に反対した政敵を悉(ことごと)く自民党から追放した。その非情は「玉石ともに砕く」と言い放って比叡山を焼き討ちした織田信長と二重映しだった。そんな変人宰相が最近、心惹かれるのが、幕末から新政府への権力移行期に起きた「堺事件」だ。最初にこれを描いたのは明治の文豪、森鴎外の『堺事件』。次に『野火』『俘虜記』などの戦争小説が読み継がれる大岡昇平の絶筆『堺港攘夷始末』だ。時は1868年。鳥羽伏見の戦いで新政府軍が旧幕府軍を敗走させた直後だ。攘夷の機運いまださめやらぬ時期でもある。大阪・堺港に上陸したフランス軍の水兵を、たまたま市中警備に当たっていた土佐藩兵が銃撃し、11人を死亡させた。これが堺事件だ。欧米列強の軍事報復を恐れた新政 ………
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