凋落し始めた南ア「マンデラ」党

ポストアパルトヘイト世代の台頭で一強与党に陰りが。紛争なき政権交代は実現するか。

2016年10月号 GLOBAL

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8月3日、南アフリカで5年ぶりに実施された統一地方選で与党アフリカ民族会議(ANC)の得票率は54%と1994年の民主化以来最低に落ち込み、ネルソン・マンデラの党として黒人の間に盤石な支持基盤を誇ってきたANCの「終わりの始まり」を印象づけた。アパルトヘイト時代を知らない“ボーンフリー”と呼ばれる29歳以下の若年層が有権者の約4分の1を占めるようになり、ジェイコブ・ズマ政権の汚職スキャンダルや高い失業率への不満を背景に、都市部を中心にANC離れが広まった。ANCはズマ擁護の姿勢を崩していないため、野党陣営は早ければ19年の総選挙での政権交代を目指し、ANCを追い落とす共闘体制を敷いている。

悪評のズマ「放逐」できず

南アの憲法裁判所は3月、ズマが私邸の改修費用約1700万ドルを公費から支出し、国庫への資金返還を拒否したとして違憲の判断を下した。東部ヌカンドラの私邸にプールや円形劇場、来客用住居、家 ………

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