米中の緊張が緩和されれば日米同盟を基軸とした今の戦略は崩れる。安倍対ロ積極外交はそのときを意識したものだ。
2016年10月号 GLOBAL [南シナ海危機と日ロ関係]
「平和条約については、2人だけでかなり突っ込んだ議論を行った。新しいアプローチに基づく交渉を今後、具体的に進めていく道筋が見えてきた」 9月2日、ロシア極東ウラジオストクで開催される東方経済フォーラムに参加すべく同地を訪問した安倍晋三首相は、ウラジーミル・プーチン大統領と日露首脳会談を行った。計3時間超の会談のうち、55分は通訳のみを交えた会談だった。今年5月6日のロシア黒海沿岸のソチでの日露首脳会談で、安倍首相は「8項目の対ロ経済協力プラン」を提示するとともに、今後の平和条約交渉を「新しいアプローチ」で進めていこうと提案した。これは歴史問題や法的問題をいったん脇におき、日ロ両国でどんな協力が可能かを検討し、未来志向の関係を描く中で領土問題の解決の道筋を切り開く、というものだろう。
安倍首相の積極的な対ロ外交は、自らの在任中に北方領土問題に決着 ………
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