安倍政権は多くの世帯を減税にする大衆迎合型での導入を目論む。税の原則に反するが、財務省に阻む力はない。
2016年11月号 LIFE [税で家族のあり方を操作]
安倍晋三政権は「1億総活躍」の目玉政策の一つとして、配偶者控除の廃止を掲げてきた。安倍政権下で影響力を落とし、消費増税を封印された財務省にとって、配偶者控除の廃止は数少ない税の増収策だ。廃止すれば6千億円の増収になる。消費増税は次期政権の課題としても、配偶者控除の廃止だけは必ず実現させておくというのが財務省の筋書き。そりの合わない官邸とのわずかな接点が、配偶者控除の廃止だった。ところが、廃止議論は思わぬ方向へ転がり始める。安倍首相が「配偶者控除の見直し」を財務省に指示したタイミングで、5月に「夫婦控除」が急浮上してきたのだ。その流れを決定づけたのは、自民党の茂木敏充政調会長だ。9月14日、報道各社のインタビューでこう打ち上げた。「配偶者控除から、パート収入に上限がない『夫婦控除』に移行する。誰もが、働きたければもっと働ける環境を整備するための ………
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