南シナ海領有権で勝訴したのに、「タフガイ」新大統領はオバマに「米軍出てけ」と吠える。
2016年11月号 GLOBAL
南シナ海のほぼ全域で領有権を主張し、人工島建設などを進める中国に対し、オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所に提訴して7月12日に全面勝訴したばかりのフィリピンが、6月30日に就任したロドリゴ・ドゥテルテ新大統領の下で「反米親中」への逆走をみせている。3年以上の審議を経てようやく出た待望の判決は、南シナ海の領有権問題に関し法的拘束力のある初の司法判断となったが、ドゥテルテ大統領は判決後、フィリピンと連携して対中戦略を構築しようとしてきた米国を威嚇する発言を繰り返し、中国との二国間関係を模索し始めた。このフィリピンの翻心は、ベトナムやマレーシア、インドネシアの南シナ海周辺国ばかりでなく、東シナ海で中国と緊張関係にある日本の安全保障も脅かしかねない。だが、訴訟のきっかけとなったスカボロー礁の領有権問題で、ドゥテルテが中国に譲歩することはフィリピン世論が ………
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