本当に「習近平の腹心」だったのか。予想外の摘発に中国ウォッチャーも混乱。「習一強」体制の行方は。
2016年11月号 GLOBAL
9月10日、かねて習近平(国家主席兼共産党総書記)の腹心と見られていた天津市トップ(市党委員会代理書記)の黄興国が、党の汚職取締機関である中央紀律検査委員会(中紀委)に「重大な紀律違反」の嫌疑で突如摘発された。それから1カ月余り、失脚の背景は今も謎で、憶測が飛び交う。黄は浙江省の地方官僚出身で、習が浙江省トップ(省党委書記)を務めていた2003年に省党委常務委員(兼寧波市党委書記)から天津市党委副書記に転出。直属の上司と部下だった時期は1年と短かったが、黄が習の信任を得ていることを印象づけたのが14年末の異例の抜擢人事だった。同年12月22日、前国家主席の胡錦涛の“大番頭”だった令計画(中央統一戦線工作部長)が失脚すると、党指導部は後任の統戦部長に天津市党委書記の孫春蘭を指名。それに伴い、天津市長だった黄が市党委代理書記に昇格したのだ。共産党内の序列 ………
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