2017年1月号 GLOBAL [インサイド]
金融庁の森信親長官の剣幕には、自民党税制調査会も形なしだ。2017年度税制改正で、金融庁が要求した「積み立て型NISA(少額投資非課税制度)」の創設が認められたのは、森長官の辣腕によるものだ。この制度を使えば年間40万円までの投資が20年間にわたり非課税となる。ところが、永田町、霞が関だけでなく、肝心の証券業界においてでさえ、同制度の評判は散々だ。既に「年間120万円の上限で5年間」だけ税をまける元祖NISAが存在するからだ。屋上屋を重ねるかのような積み立てNISAを作る理由が、どこにあるのか。従来型NISAの利用者層は60歳以上が中心。若年層を株式投資に呼び込めず、当てが外れた金融庁が「従来型の失敗を覆い隠すために、若者に長期投資を促す名目でゴリ押しした」と、野村証券幹部は憤慨する。その先頭で旗を振るのが森長官に他ならない。当局の尻ぬぐいのために新たなシステム投資 ………
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