「そこらじゅうに、パチンコ店があるようにカジノがあってもいい」2012年6月30日、東京都知事（当時）としてシンガポールを訪れた石原慎太郎は、日本からついてきた記者団にこう発言。一部メディアに「カジノ誘致を推進する持論を展開した」と目立たぬ形で報じられた。シンガポール訪問の主目的は、石原自身が提唱してできた「アジア大都市ネットワーク21」の総会で、諸外国に向けて環境問題で一発かますことだった。だから記者団も、石原は横道でカジノ推進論をぶっただけととらえた。しかし、石原の発言には、意味がちゃんとあった。その夜、石原が泊まったのはほかでもない「マリーナ・ベイ・サンズ」。伝説のカジノ王シェルドン・アデルソンがCEOを務める「ラスベガス・サンズ」が、その2年前に建てたばかりの巨大カジノリゾートだった。そして、関係者によると、このときアデルソンもシンガポール ………