2017年2月号 POLITICS
師走も押し詰まった12月28日、東京・市ヶ谷の防衛省で異変が起きた。防衛関連の重要事項について大臣に進言する大臣政策参与3人が、全員更迭されたのだ。政策参与は省設置法に定められた非常勤の公職で、もとは防衛大臣補佐官と呼ばれ、2014年から政策参与に改称しているが、新年から空席という異例の事態となった。突然首を切られた筆頭は、航空自衛官出身で初代防衛大臣補佐官でもあり、民主党の野田佳彦内閣で民間人初の防衛相を務めた森本敏(拓殖大学総長)。稲田朋美・現防衛相はこの先輩を情け容赦なく切ったのだ。もう一人は13~15年に防衛事務次官を務めた西正典である。戦前の陸軍軍人で1932年ロサンジェルス五輪の馬術障害競技で金メダルに輝き、硫黄島で戦死した「バロン西」こと西竹一男爵の子孫として省内外でも知らぬ人がないが、正典もオクスフォード大学に留学、国際関係論を学んでい ………
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