中国を囲むつもりが逆に包囲され、トランプ政権誕生でさらに孤立への道をひた走る。
2017年2月号 POLITICS
安倍晋三首相のことしの年頭所感ほど、現実から遊離したものはない。「積極的平和主義の旗を更に高く掲げ、日本を世界の真ん中で輝かせる」首相の念頭にあるのは、南スーダンへの自衛隊派遣だ。安倍政権下で改正した安全保障関連法の成果として、リスクの高い「駆けつけ警護」の運用を昨年末に始めたことへの自負があるのだろう。だが、安倍政権の「積極的平和主義」が名ばかりであることを如実に示す出来事が昨年末に国連で起きた。南スーダンで懸念が強まるジェノサイド(大虐殺)を防ぐため、米国が主導して国連安全保障理事会に提出した南スーダンへの武器禁輸を含む制裁強化決議案を、日本は棄権したのだ。安保理15カ国のうち、賛成は米英仏など7カ国。棄権はロシア、中国、マレーシア、エジプト、セネガル、アンゴラ、ベネズエラ、そして日本。決議案は否決された。日本が国連で米国と違う行動を ………
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