読者の声

2017年2月号 連載

  • はてなブックマークに追加

若手社員の過酷労働の実態がメディアで報じられることが多い。入社数年で退職を余儀なくされ、自殺に至るケースもある。多くは管理職が自らの経験から「残業や連続勤務は当然。自分たちもそうだった」と考え、短期間に成果を上げて社内で生き延びるため、部下への圧力を高めざるを得ないという事情もある。

管理職が経験した頃と現在では労働の質が大きく変わった。デジタル技術を駆使することが前提の労働密度は数十年前とは比較にならない。それを「昔は」と同じ時間軸で管理しようとすれば社員は押し潰される。若い人材は未来への貴重な財産なのに、過重労働が未来を食い潰しているのではないかと懸念している。

鉄道系各社は労基法を含め法の遵守に熱心だが例外もあるようだ。大手私鉄系列で2~3週間連続勤務を強いられ同期入社組が多数退職に追い込まれた事例を耳にした。本社所在地の元区長を社外取締役に据え労基署対策に怠りないとも聞く。FACTAにも未来を食い潰す企業の実態への鋭い切り込みを期待したい。

広告代理店勤務 前川雅夫

   

  • はてなブックマークに追加