14年にクーデターで封じ込めたタクシン派が、国王の恩赦で蘇ると、また政情不安に。
2017年3月号 GLOBAL
70年間在位したタイのプミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世)が昨年10月に逝去してから、タイ政界は最後の安定の柱を失った。1932年の立憲革命以来、19の憲法が制定され、20回近い軍事クーデターが起きたタイの先行きは、さらに不透明で見えにくくなった。後継者のワチラロンコン新国王(ラーマ10世)はこれまでもトラブルを引き起こすことが多く、2014年5月にクーデターで実権を握った軍事政権のプラユット・チャンオチャ暫定首相に真っ向から対抗する立場を鮮明にするようなことになれば、タイ政局は予期せぬ深刻な事態に発展するだろう。これまでタイ王室は調整役の立場に徹してきたが、新国王ラーマ10世の即位でその役割は劇的に変化し、政局の「台風の目」となる可能性がある。すでにラーマ10世は軍事政権と対峙し、昨年8月の国民投票で承認された新憲法案の国王の権限に関するいくつかの条 ………
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