新経済対話は見せ玉で、トランプの狙いはやはり日本車。防御陣は三段構えだが、「囚人のジレンマ」に陥るか。
2017年5月号 BUSINESS [トランプ通商交渉術]
トランプの咆哮にはもう慣れっこだが、笑顔でおためごかしを口にしたときは怖い。用心すべきシグナルと言える。2月10日に行われた日米首脳会談の席上、安倍晋三首相と経済対話の立ち上げに同意、日本側提案で双方とも「副」のつく麻生太郎・副総理兼財務相とマイク・ペンス副大統領に任せることになった。同席していたペンスにドナルド・トランプ大統領が、しっかりやれよとばかりに「(相手は)タフネゴシエーターだぞ」と肩を叩くと、麻生は破顔した。内心、しめたと思ったのだろう。強烈な保護主義志向で輸入制限も辞さないピーター・ナヴァロ国家通商会議議長やスティーブ・バノン首席戦略官らより、実直そうなペンスは与しやすい。安倍の名代として対話を仕切れば、トランプがTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)離脱を宣言した後も、日米摩擦を未然に防ぐ主役になれる……。
米通商代表部の代表に ………
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