「スコグジット」浮上で英国股裂き

メイ首相はEU離脱交渉を始めた。足元は18世紀以来の連合王国に遠心力が働き解体寸前。

2017年5月号 GLOBAL

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英国のテリーザ・メイ首相は3月29日、欧州連合(EU)に対し離脱(Brexit )を正式通告した。昨年6月の国民投票以来、玉突きのようにスコットランドの英連合王国離脱(Scoxit)リスクが高まってきた。メイ首相がEU基本条約(リスボン条約)50条に基づき、他のEU諸国首脳と離脱の条件を決める正式交渉を始めた足もとで、スコットランド独立の旗を振るニコラ・スタージョン自治政府首相は悲願の独立実現へ余念がない。スタージョンはEU離脱交渉の期限である2019年3月末を待たず、スコットランド独立の是非を問う新たな住民投票の実施を要求している。これまでのところ、14年に行われたスコットランド住民投票では55%対45%で独立が否決されたことで「問題は解決済み」として、メイ首相は要求を拒んでいる。

住民投票は拒めない

憲法上、英首相は2回目の住民投票を拒否する権利を有し、住民投票を実施するには英議会で過半数 ………

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