53年間も待たされた挙げ句、クーデター未遂で強権化。欧州も極右台頭で修復不能に。
2017年5月号 GLOBAL
トルコと欧州共同体(EU)の関係に「審判の時」が近づいている。長い間の両者の関係は、トルコが条件を満たしさえすれば、いつの日かEUに新加盟国として迎えられるという前提の下に続いてきたが、ここ数年の環境変化でさまざまな想定がひっくり返ってしまった。欧州側では各国で極右政党が台頭し、金融危機後に長く続いた経済の低迷で政治環境が大きく変わった。EUの拡大政策は人気を失い、トルコのEU加盟は有害とさえ見られている。英国のEU離脱か残留かを問う昨年6月の国民投票では、離脱派はEUに残留すれば「トルコ人の移民が今にも大挙して押し寄せてくる」とのキャンペーンで有権者の恐怖を煽った。トルコの国内事情も次第にEUとの統合を進めることを難しくしている。2013年にゲジ公園で始まった反政府運動をきっかけに、昨年7月のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の打倒を図った大規模な ………
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