あの五味廣文元長官ら2人も金融庁“天下り”取締役を抱えたのは、銀行欲しさの布石。
2017年6月号 BUSINESS
4月28日、オンライン証券を中心とした金融持株会社、SBIホールディングス(北尾吉孝社長)は17年3月期決算を発表するとともに、6月29日の株主総会で正式決定する役員候補を明らかにした。そこで金融庁を驚かせたのは、新任取締役候補として2人も金融庁OBの名を挙げていたことだった。一人は2004~07年に第4代金融庁長官を務めた五味廣文(68)である。小泉、第一次安倍内閣の下で足利銀行やりそな銀行に資本注入し、消費者金融のグレーゾーン金利是正で業界を消滅させる剛腕を発揮した半面、「新形態の銀行」の生みの親となり、金融庁顧問だった木村剛の「日本振興銀行」、石原慎太郎(当時は東京都知事)の「新銀行東京」に設立許可を与えた“罪深き長官”でもある。退官後は不良債権問題に関わりの深い西村あさひ法律事務所の顧問となって「天下り」批判を浴び、2年後には金融庁が所管する大手監査法人 ………
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