積極推進派からは楽観的な見通しばかり。安倍「無競争三選」を盛り上げる道具立てに使われかねない。
2017年6月号 POLITICS [北方領土が最も近づいた日]
安倍晋三首相は4月27日、モスクワを訪問、プーチン大統領との日ロ首脳会談に臨んだ。会談は約3時間10分に及び、そのうち通訳だけを介在させたテタテ会談に50分を割いた。両首脳は、①航空機を利用した元島民による特別墓参を6月中にも実施する、②昨年12月の長門会談で両首脳が合意した「共同経済活動」に関する北方四島(歯舞・色丹・国後・択捉)への官民現地調査団を日本から5月にも派遣する、などの点で一致。「四島における協力で様々な成果を出していく姿を日本人と現在四島に住んでいるロシア人が実感することは、平和条約の問題の解決の意義への理解に繋がる」(外務省)と総括、安倍訪ロの成果を誇示した。北方領土問題を含む平和条約締結交渉の進展に向けての布石として「日ロ共存の絵」を描き、その実現(出口)に向けた交渉の「入り口」に立ったわけだが、そこに落とし穴はないのだろうか。
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