2017年6月号 DEEP
全国の脱原発派市民に、ため息交じりの声が広がった。去就が注目されていた大分地裁の竹内浩史裁判長(54)が、4月1日付で大阪高裁判事に異動した。竹内氏が指揮する四国電力伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)の運転差し止め訴訟については、かねて「差し止めは十分あり得る」との観測が流れていた。もとより裁判官の下す結論に予断の持ちようはないが、その異色の経歴が期待を抱かせ、落胆につながった。竹内氏は元弁護士。修習同期にはオウム事件の坂本堤弁護士もいた。主に市民や小規模事業者が依頼主の法律事務所に所属し、名古屋市民オンブズマンにも参加。愛知県議会のカラ出張追及など数々の成果を挙げた。判事任官は2003年。最高裁と日弁連の合意に基づき導入された推薦制度で選ばれた。オンブズマンあがりの裁判官はもちろん初めて。壮行会でこんな言葉を残している。「一種の天命。天命とは市 ………
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