投信業界がソッポを向く低パフォーマンス。首相官邸の威を借る森金融庁長官のメンツは丸潰れ。
2017年7月号 BUSINESS
昨年末、財務省と金融庁が平成29年度税制改正作業において大バトルを展開し、「森金融庁の大勝利」と言われた積立NISAの創設が決まり、3月末にその制度の詳細が明らかになった。一般的に個人が投資信託を購入する際、売却益や配当に20%の税金がかかる。しかし、積立NISA口座で積み立てると一人当たり年間40万円、非課税期間20年間の恩恵が受けられる。非課税枠は合計800万円。現行のNISA(少額投資非課税制度)の非課税枠は600万円だから、多少、優遇したわけだ。この制度は「国民の資産形成」の手段、平たく言えば、投信を通じて広く国民に株式を保有させるという金融庁の政策意図を反映させたものであり、同時に官邸が意識する株価対策の側面を持つ制度である。制度の利用開始は来年の1月。金融界はあと半年かけて、積立NISAの主たる投資商品である投資信託の設計や販売体制を準備していくことになる ………
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