緊急地震速報だけではハイテク工場は守れない。ソニーや日東電工が自前の速報システム構築。
2017年7月号 LIFE
日本列島は巨大地震の巣である。震度6弱以上の巨大地震が30年以内に起こる確率が47%の東京、81%の横浜と高い首都圏ばかりか、昨年には熊本で震度7を2度も記録した。どこにいても気は抜けない。だが地震予知が難しい限り、企業も個人もできることと言えば、地震発生後にいかに素早く対策を打てるかどうかだ。「何とか目標の『2秒』が見えてきた」ソニーの半導体子会社、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(本社・熊本県)の設備担当責任者、川下信孝さんは言う。実はこの「2秒」が半導体製造ラインの生命線を握っている。半導体製造ラインには高価で精密な製造装置が多く並んでいる。シリコンウェハに微細な電子回路を焼き付ける半導体露光装置は特に重要だ。地震の揺れで、レーザー光をウェハに映す高性能レンズがウェハと一緒に壊れたりすれば、修理には時間と膨大な費用がかかる。
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