「西太平洋の覇権」狙い中国が海保翻弄

今夏、日本の領海に5800トン級の中国公船が侵入。北の緊張は中国にはチャンス。もはや矛先は東シナ海ではない。

2017年10月号 LIFE

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北朝鮮のミサイル発射、核実験で緊張が高まる東アジア。その動向が注視される間にも、中国は西太平洋の覇権に向け着々と布石を打ちつつある。日中の「海」をめぐる闘いは、第2段階に突入している。7月15日午前11時50分ごろ、長崎県対馬下島周辺の領海内に、中国海警局の船1隻が一時侵入した。さらに午後3時ごろには公船2隻が、福岡県の沖ノ島北側の領海に入った。九州北部の領海で、中国公船の侵入が確認されたのは初めてだ。この2隻は、17日に再び津軽海峡の青森県埼(さき)沖で領海内を悠然と航行。津軽海峡でも約3時間半にわたり領海内に入った。確認された公船は、船体番号「海警1304」と「海警2506」の2隻だ。海上保安庁の警告にもかかわらず中国公船が航行したのは、国連海洋法条約を盾にとっているからだ。同条約には、全ての船舶は沿岸国の安全などを害しない限り領海を通過する「無害通航権」 ………

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