負の「レガシー」と、権力私物化というブラジルのいつもの悪弊を見せつけ、終わった。
2017年10月号 GLOBAL
リオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピック競技大会が幕を下ろし、五輪旗が東京に引き継がれたのはちょうど1年前の9月18日だった。当時、大会関係者は世界最大のスポーツの祭典を、とりあえず大きな問題なくやり終えたことで、胸を撫で下ろしていた。工事の大幅な遅れに始まって、会期中も選手村の施設トラブルからジカ熱発生など不安満載だったからだ。だが1年経った今、空気は一変している。国民が目にする五輪の「レガシー」は、雑草だらけで荒廃した競技場の写真や、雪崩を打って吹き出した大会役員の汚職疑惑、膨張し続ける五輪関連施設の負債だ。招致に当たって国際オリンピック委員会(IOC)委員を200万ドル(約2億1700万円)で買収した疑惑まで出てきた。リオ市民の間には「買った後の後悔」のような倦怠感さえ漂っている。
ブラジル司法当局は、オリンピック招致委員会会長だったカ ………
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