2018年2月号 BUSINESS
2017年12月中旬、クリスマスを控えて華やぐオーストラリアの空港に、日本郵政傘下の日本郵便の一行が降り立った。日本郵政が約6200億円を投じて買収したものの、17年3月期決算で約4千億円の減損計上を迫られた豪物流子会社トール・ホールディングスの視察が目的だった。しかし、これが単なる海外子会社の視察とまったく異なっていたのは、一行の中に政治家の姿が交じっていたことだ。同行したのは全国郵便局長会会長などを歴任した自民党参院議員の柘植芳文ら2人。柘植は日本郵政を事実上牛耳る官房長官・菅義偉の知る人ぞ知る懐刀で、選挙のたびに自民党最強の集票マシンをフル稼働させている。その存在は今回の視察が政治的色彩を帯びたものであることを象徴していた。この視察はトールの監督のためでも、ましてや激励のためでもなかった。企業としての成長性を見極め、日本郵便、ひいては日本郵政の ………
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