生産緑地「投げ売り」で地価暴落

制度が4年後に終わる。10年延長など政府の小手先の売却防止策は効きそうにない。

2018年2月号 LIFE

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「お宅の畑は5年後、どうするつもりですか。売るお考えは?」。東京都練馬区の農家には昨年夏以降、大手不動産会社からの営業の電話がよくかかってくる。営業用のチラシも玄関のポストにたくさん投げ込まれた。「お宅の畑」とは、このところメディアなどでひとしきり話題になっている「生産緑地」のことだ。生産緑地とは都市部の「市街化区域内」にある農地を指す。農家は約30年前、この農地を「生産緑地」に指定し、農業を継続するのと引き換えに固定資産税の減免や相続税の支払いを先延ばしできる優遇措置を受けてきた。いまある生産緑地の制度はバブル崩壊直後の1992年に始まり、期間は30年。指定を受けた生産緑地はその間、売ることも貸すこともできない。

30年前「売らせよう」失敗

だがあと4年、2022年を迎えれば、指定開始から30年となり解除が可能になる。民間への売却の手順はこうだ。農家は住んでいる自治体に、まず ………

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